公務員の役職一覧!複雑でわかりづらい序列や役割も解説

公務員の役職一覧公務員の必須知識

こんにちは!

元公務員ライターの ikemi(@ikemi_writer) です!

本記事に興味をもっていただいたあなたは、こんな疑問を持っているのではないでしょうか?


公務員の役職には、どんな種類があるの?誰が偉いのか知っておきたい!

役職の序列がわからないから、失礼なことをしてしまいそうで不安・・・。それぞれどんな役割があるのかも教えてほしい!



私が勤める県庁では、入庁前に新規採用職員の飲み会が人事課主催で行われます。

会の最初に主催者からの挨拶があり、「次は○○主幹からの挨拶です」と紹介されたとき、どれだけ偉い人なのかまったく分からず、新採にそんな専門用語使うなよとイラッとした思い出は今では忘れられません・・・。


役職とかいうのは、実際に現場で出ればすぐに覚えられることではあります。


ただ、常識中の常識ですので、「役職」というものを理解できていないことが原因で、失礼なやつと思われる可能性もゼロではないでしょう。



ですので、今回は公務員の役職について詳しく解説します。

それぞれの序列や役割なども紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

【大前提】自治体は知事をトップにしたピラミッド型組織

自治体はピラミッド型組織

細かな役職を説明する前に、まず、もっと大きな区分について説明しておきますね。


当然ながら、最も偉いナンバー1は知事

そして、ナンバー2は副知事です。


副知事になるためには、おおよその場合、県職員の幹部まで上り詰め、知事からスカウトを受けなければなりません。

選挙でえらばれる知事を除けば、副知事になることが県職員としての最上位の出世ということになります。

ちなみに、国家総合職の若い官僚が副知事として地方の自治体に派遣されることも珍しくありません。


ほんとに小さな町だと20代の官僚が副町長を勤めるなんていうことも。

なお、給料はその自治体の規定に基づくので、国家総合職なら20代で1,000万プレイヤーも夢ではありません!



次のナンバー3は教育長と公営企業管理者

教育委員会も(公営)企業局も知事の管轄から離れた独立性を持っているので、そこのトップには大きな権限が与えられます。

両役職ともに、県職員の幹部まで出世した県職員が定年後に知事や副知事から抜擢されて就任するのが一般的です。

公営企業とは・・・水道や電気、鉄道、病院などの事業を経営するための特別組織です。自治体はお金儲けしたらダメですが、公共性の高い事業については、住民へのサービス提供が不可欠なので自治体が直接経営を行えるようになっています。


そして、最下層にいるのが、県職員

1〜3位の方々の思いを形にするのが、県職員の役割ということになります。

これを踏まえてうえで、これから県職員の中の役職ランキングを紹介します。

県職員の役職一覧

相手の役職がわからずに悩む人

自治体によって、各役職の呼び方が変わったり、上下の順番が逆だったりしますので、今回はあくまでオーソドックスな形を紹介します。

県職員の役職を偉い順に並べると、以下のとおりです。

役職一覧(えらい順)
  1. 部長
  2. 副部長(次長、局長)
  3. 課長
  4. 主幹(課長補佐)
  5. 係長(主査)
  6. 主任
  7. 主事


では、それぞれの役職について、詳しく説明していきますね。

1位:県政の実質ナンバー1「部長」

県職員のナンバー1は部長。

年齢の目安は60歳手前です。

部長は、経済部・保健部・土木部など、県庁の最も大きな組み分けのトップです。

部長のポストは全職員の1%未満で、抱える部下の数は何百人になることも。

個室が与えられ、秘書もつけられる自治体もあるくらい、めちゃくちゃ偉いです。



部長が認めたことを、知事や副知事がひっくり返すことはほぼありません。

部長が自治体運営の決定権を握っているといっても過言ではないでしょう。

つまり、部長は県政の実質的なナンバー1の存在です。



ここまで出世すると、先ほど話したように副知事等の就任も視野に入ります。

そうでなくても、優良な企業や団体に再就職できることは間違いないです。

2位:ここまでくれば出世といえる「副部長」

2番目に偉いのは、副部長です。

年齢の目安は、50歳半ば。

副部長は、組織よって「次長」や「局長」などとも呼ばれます。




部長をサポートしたり、「部」の次に大きいセクションを統括したりするのが、副部長の役割。

例えば、経済部は観光系と企業支援系に分けられます。

その場合、観光系を統括する副部長と企業支援系を統括する副部長がそれそれ存在することになります。



「部」は2〜3個くらいに分割されますので、部長よりは目指しやすいポジションといえるでしょう。

それでも副部長になれるのは数%。

副部長までのぼりつめると、出世を成し遂げた優秀な人物だと評価されます。

3位:実務の決定権を担う「課長」

3番目に偉い役職は、課長です。

年齢の目安は、50歳前半。


「部」はさらに分割され、「課」と呼ばれる単位になります。

基本的に役所の業務は「課」を基本として進めていきますので、実務的な面に関しては、部長や副部長よりも課長のほうが裁量権を持っているといえるでしょう。




課長はそれなりの人数がいますので、めちゃくちゃ偉いわけはありません。

ただ、課長によって職場の雰囲気や仕事量はガラッと変わるので、部下が受ける影響力は絶大です。


そして、新採を含めた課長未満の職員によって、一番注意すべきは「課長」であることに間違いありません。

出世にかかわる評価をくだすのも、課長です。

どの課長につくかで、部下の県庁人生は大きく左右されます。

4位:中間管理職「主幹」

4番目に偉いのは、主幹。

年齢の目安は、50歳前後です。

自治体によっては、課長補佐などとよばれることもあります。


主幹は、課長の補助や業務の進捗管理を行う役職です。

といっても、課長の権限があまりに大きいので、主幹の出番はほぼなく、正直存在感は薄い。



なお、自治体によっては、この主幹以上が「管理職」という扱いになります。

ちなみに、公務員の世界では、管理職になると残業代がでません。特別な手当てがつくものの、微々たる額。残業代で稼いでいた職員が主幹に昇進すると、年収が数百万円下がったなんてことはよくある話です。


課長になれず、主幹のポジションで県庁人生を終える人も少なくありません。

ただ、出世したとはいえないレベルなので、再就職先には正直困るでしょう。

年金が支給されるまでの間、再雇用職員として、新採職員よりも低い給料で働く人も大勢います。

5位:もっとも忙しいポジション「係長」

5番目に偉いのは、係長。

年齢の目安は、30代後半~40代です。


「課」はさらに細かな単位「係」に分割されます。

「係」の構成人数は数人程度ですので、係長は偉いといえる役職ではありません。

ただ、課長の方針に従い、手を動かすのが係長の仕事なので、このポスト無くしては役所の仕事は何も進みません




県政運営に欠かせない重要ポストということもあって、昔は「係長県政」と呼ばれたほど、係長が大きな力を持っていました。

役所に営業に来る人も、部長や課長よりまず係長に挨拶していたようです。


入庁後しばらくは、自分が所属する係の係長に従って仕事をします

20代の若手が担当するような事業の場合は、係長がOKといえば、それで事足りることがほとんどです。

6位:中堅職員「主任」

6番目に偉いのは、「主任」です。

年齢の目安は、30代。


係内での重たい仕事を係長が担うなか、中堅職員として中難易度の業務を担うのが主任です。

「主任」はまだまだ平職員ですが、ここがしっかりしていないと係長の手間が増えてしまい、係がうまく回らなくなります。


また、「主任」は新採職員にとって身近な先輩。

おそらく年齢も近いですし、分からないことがあっても気兼ねなく質問できます。

県職員としてのイロハは、同じ係の主任から学ぶことも多いはずですよ。


7位:県職員の最下層「主事」

もっとも序列が低いのは、「主事」です。

年齢の目安は、20代。

入庁してから数年間の役職は「主事」です。

重要な判断を要しない簡単な業務や、係長・主任のお手伝い業務を担うことがほとんど。

雑用も頼まれますし、肉体労働も率先してやらないといけません。


多くの場合、30代になるころにようやく「主任」に昇格。

ストレートで入った場合、7年程度は「主事」として走り回る日々が待っています。


公務員の役職に関するよくある質問

役所で勤務する教員

ここからは、公務員の役職で疑問に感じやすいポイントを紹介します。

失礼な言動をとってしまわないように、あらかじめチェックしておきましょう。

指導主事って誰のこと?

主に教育委員会ですが、指導主事という役職の方々がいます。

指導主事=役所に出向している学校の先生 です。


現場で働いている先生の視点を行政機関の仕事に取り入れるため、また、現場中心の先生にも行政という大きな視点を持ってもらうために、こういった出向制度が存在します。

ほかの職員と変わらず、席を並べて仕事をしているのですが、肩書をみれば、すぐに学校の先生だということがわかるわけです。

指導主事の皆さんはやはり行政職の職員とは違う雰囲気がありますし、専門性の高い話が聞けるので機会があれば是非関わってみることをおすすめします。

担当課長・担当係長は、普通の課長・係長と違うの?

課長や係長のなかには、担当課長や担当係長など、頭に「担当」がつけられるケースがあります。


「担当」は、役割分担を明確にするためにつけられるものであり、実際の仕事内容や序列に影響はありません



行政では、突発的な事業が立ち上がることがよくあります。

たとえば、インターハイの開催地に選ばれた自治体で準備・運営のための新組織が立ち上がる、といったケースです。

その際、大抵はスポーツ振興部署のなかに新組織ができますが、そのときの課長の負担があまりにも大きくなりすぎますよね。

なので、インターハイの担当課長を新たに1名追加するわけです。



係長の場合も、同様です。

業務内容を線引きするために、担当係長という役職が存在します。




ただ、なかには、「課長」が総括を行い、「担当課長」が「課長」の部下として、特定の事業を采配するケースもあります。(係長も同様)

そのときは、「課長」のほうが、少しだけ役職が高いといえるので注意しておきましょう。


【まとめ】入庁したら課員の名前と役職を覚えよう!

さて、本記事のまとめです!

◆県職員のなかで実質的に一番偉いのは「部長」
◆実際の業務を動かすのは「課長」
◆若手の頼りどころは「係長」「主任」
◆新規採用職員は「主事」から始まる



役所に入ってまず覚えることは、同じ職場で働くメンバーの名前と役職です。


正しく理解していないと、失礼な言動につながりかねないので注意しておきましょう。


ただ、役職は、自治体によって微妙に呼び方が変わったり、上下が逆になったりします。

新規採用職員の場合は、きっと年が近い「主事」や「主任」の先輩が近くにいるはずなので、まず最初に課員の序列を教えてもらうようにしましょう。

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