公務員をやめることを決意した話

私が公務員を辞めた理由公務員の本音

私は、入庁8年目30歳の年に県庁を退職しました。



公務員を辞める人ってなかなかいません。

定年まで安定して働けるからといって、、公務員を目指す人が多いですから。

がんばって勉強して、やっとの思いで公務員になって、両親も安心させられて。

もったいないですよね。




なのに、どうして辞めたのか。

気になる人も少なくないかなと。

本記事では、私が退職するに至った経緯を、率直に書いていきたいと思います。

入庁1年目からずっと辞めたかった

現実と向き合う人

私は入庁1年目から、「この仕事は一生できない」と思っていました。

もちろん入庁直後は、アドレナリンが出てましたし、仕事って楽しいと思えたことも。

ただ、それもつかの間。

次第に毎朝、どうやって辞めようかと考えるようになりました。

淡々と過ぎていく日々

一番つらかったのは、毎日が淡々と過ぎていくことでした。

あっという間に一日が終わり、一週間が終わり、一カ月が終わる。

1年早かったなと思うことが、すごく怖かったんです。


もちろん、いろんな仕事をさせてもらったので、刺激がなかったわけではありません。

泣きたくなるほどつらいときもあったし、やりがいを感じるときもありました。


それでも、毎朝同じ時間に起きて、同じ通勤経路をたどって、出勤することが苦痛でした。

朝8時ごろ、庁内の自販機でコーヒーを買おうとすると、同じ職員と顔を合わせる。

20代だった私には、その50代の職員が30年後の自分に見えました。

「この人は30年、この生活を繰り返していたのか」

そう思うと、すごく切ない気持ちになりました。


もちろん、先輩方の人生を否定するつもりは一切なく、本人がよければそれでいいんです。

ただ、私には到底耐えうることではありませんでした。

デジャブのように繰り返される毎日が、怖くてたまらなかったのです。


望まない人間関係

私のコミュニケーション力はおそらく人並みです。

ただ、人の目を気にする性格は人並み以上だと自信を持っていえます。

周りからみた自分の評価というものを、常に気にし続けていました

嫌われるのが怖かったんです。

できないやつって思われるのが、いやだったんです。



相手に気を使いすぎて、伝えたいこともまっすぐ伝えられない。

迷惑をかけたくないから、自分で抱え込もうとする。

そんな人間は組織に向いてないですよね。

誰しもが持っている感情だとは思うのですが、私のそれは異常なレベルでした。


そんな弱気な自分を隠すかのように、明るくふるまう日々が続きます。

飲み会では誰にも強制されてないのに、進んで二次会まで参加しました。

それが若手職員のあるべき姿だと信じて、演じていたんだと思います。


おかげさまでたくさんの人にかわいがってもらえましたが、嘘の自分を突き通すのには限界があります

だんだんと、人付き合いがおっくうになり、飲み会も断るようになっていきました。

そうなると、なんとか人付き合いを頑張ることで、繋がっていた人が離れていくようで、それも怖かった。

それだけ自分に自信のない日々を送っていたというわけです。

給料に対する不満

公務員の給料は、高くありません。

でも、生活できないほどの薄給でもない。

むしろ、世間からは「もらいすぎだろ!」と批判されることのほうが多いですね。

給料が高いか安いかの議論は、ひとそれぞれの感覚によるので不毛かなとも思います。




しかし。

問題なのは、努力や成績による給料の差がでないこと。

努力している人も、さぼっている人も、給料の上り幅はほとんど同じです。

なので、「頑張る必要ないじゃん」って思ってしまう人がたくさんいます。




やりがいで仕事ができれば、給料は関係ないかもしれません。

ただ、そんな聖人はなかなかいません。

対価としての給料があるから、仕事を頑張るわけです。

なのに、努力しても給料が上がらない世界では、モチベーションの維持は難しいですよね。

ずっと辞められなかったわけ

静かに悩む人

じゃあ、どうしてすぐに県庁を辞めなかったのか。

それは、お世話になった人たちを裏切ることになるからです。



よく金銭面の不安はなかったのかと聞かれますが、そこはなんとかなるなと思ってました。

webライターであれば生活できる水準までは持っていけると、変な自信があったのです。



そんなことよりも、私に関わってくれた人たちに対する申し訳なさがなにより重く感じられました。

善人ぶっているだと思われるかもしれませんが、本気で退職を考えるとこの壁にぶつかるはずです。


新卒で入った私が、莫大な時間と金をかけて育てられたのは紛れもない事実

何もできないのに給料をもらって、上司に仕事を教えてもらって、すごく恵まれた環境でした。



なのに、私が退職すると、私に費やしたコストがすべて無駄になるわけです。

これは、組織に対する、同僚に対する裏切りといえるでしょう。

申し訳ないなと思う気持ちをぬぐい切れず、ずるずると8年間を過ごしたのです。

入庁8年目にして退職を決意

退職を決意する人

入庁8年目にしてやっと退職を決意し、実行しました。

では、なぜ8年目のタイミングだったのか。

その辺を詳しくお話したいと思います。

理由①:30歳を迎えたこと

一番大きかったのは、30歳の大台を迎えたことです。

30歳を超えると、再就職するにしても、フリーランスになるにしても、かなりのハードルがでてきます

年齢的な面で、30歳が退職する最後のチャンスだと考えました。


そして、30歳の区切りを逃すと、一生退職を決心できずにいるだろうなとも思っていました。

なにかをきっかけとして、勢いで辞めるしかなかったのです。

理由②:県庁一激務の部署に配属されたこと

私は退職したとき、財政課に配属されていました。

私が働く県庁では、人事課・財政課の出身者は出世するという暗黙のルールがあります。

ありがたいですね、私も出世コースに片足突っ込ませていただいたわけです。



ただ、県庁マンのキャリアもそうは甘くありませんでした。

財政課で働いて1週間で気づきました・・・普通じゃなかったです。




4月1日からフル回転。


帰宅したのは深夜2でした。

もちろん、私は1年目だからこの時間に帰れましたが、2年目以降の職員はそのあとも普通に仕事をしていたようです。

仕事の内容もずーっと数字のチェック。

大事な作業ですが、あまりの単純さと複雑な計算に頭を抱えました。




そして、そこから約1週間、深夜まで働く日々が続いています。

確かに、4月は多少忙しくなる時期ではありました。

でも、連日深夜まで働かざるを得ない状況は数週間おきに訪れ、来年度予算の編成時期には残業時間が300時間とかいうケースも。


そりゃ、こんな苦行を耐え抜いたならば、出世させてもらってもバチはあたらないかなって感じです。


もちろん、私も、出世したくないわけではないですが、それ以上に大事なものがほかにあります。

家族、友達、健康、趣味・・・仕事よりも大切なものがたくさんあります


でも、当時はそれを全力で楽しむことができませんでした。

やりがいを感じられない仕事に、自分の大切なものを奪われる感覚を覚えてしまいました。


もともと公務員として働く人生に納得できないところがあったのですが、この異動が公務員を辞めるきっかけになったと思います。

公務員を辞めたことに後悔はない

8年間悩み続けて辞めた公務員。

退職して1年以上が経過した今、後悔は一切ありません。


フリーランスのライターであるため、もちろん収入は不安定。

ただ、公務員時代の基本給は超えれましたし、働き方も自由になりました。

人間関係の悩みも一切ありません。



とりあえず、辞めてよかったと思える人生を送っています

ただ、これがいつまで続くのかわからない不安は一生続きます

公務員ほど、将来を約束された職業はありませんからね。

これからも、退職したことを後悔しないためにも、毎日を一生懸命生きたいと思います。

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