残業ってよくないですよね?
でも、どうしてか、県職員は残業が嫌いじゃない。
県職員にとって「残業は普通のこと」
広告代理店の過労死問題が大きなきっかけとなり、社会全体として「働き方改革」が進められています。
それなりに大きな会社だと、長期休暇の取得を義務付けたり、終業時間になると自動的にパソコンの電源が落ちるようになっていたりと、あの手この手で「働きすぎ」の解消に努力しています。
それが結果的に、残業代を減らし、人件費の削減にもつながりますし、「残業のないクリーンな会社だよ!」っていうアピールにもなりますからね。
では、私が勤めていた県庁の実態はというと・・・まだまだ、「働き方改革」が浸透しているとは言い難いのが現状です。
有給休暇を使いきれないことや、育児休暇を取れる雰囲気じゃないことや、数をあげればいくらでも出てきますが、特に、時代遅れだと思うのが、残業に対する意識の低さ。
今の世の中、”残業はよくないこと”なんです。
残業のやり過ぎで、多くの人が心身を壊しているんです。
しかも、公務員の場合は、残業代に莫大な税金が使われているんです。
・・・でも、そういう認識がまだまだ県職員には足りていないんです。
「残業は普通のこと」なので、残業しても怒られませんし、むしろ、残業をたくさんすることが一生懸命働いていると評価されてしまうくらい、時代遅れの思考を持っています。
もちろん、頭の切り替えが早い職員には少しずつ、「残業はよくないこと」だという認識は広がりつつありますよ。
ただ、「ワシが若い頃は仕事ばっかりして寝る暇なんてなかった」なんて豪語しているおじさんが管理職にいる間は大きな変革は起きません。
なので、今は、この意識の低さから、いろんな弊害が生じています。
問題①:無駄に残業して残業代を稼ぐ職員が出てくる
残業代は給料に大きく影響します。
残業時の時給は通常勤務時の時給よりも高く、それなりの役職・年齢になると、時給は3,000円以上。
例えば、20時過ぎまで残業するだけで、1万円近く給料に上乗せされていくのです。
毎日20時まで残業するだけで毎月20万円の収入アップですよ。
忙しくなくても残業をして、お金稼ぎをしようという職員が出てきてもおかしくないですよね。
そして、実際にいる・・・と思うんです。
本人にとっては忙しいから残業しているだけなのかもしれませんからね。
何でいつも残業してるんだろっていう人は時々いますが、その真相はわかりません・・・ということにしておきます。
問題②:1〜2時間の残業であれば残業として扱えない雰囲気がある
今度は、逆に、残業が当たり前過ぎて、少しの残業では残業として扱えない現象が生じる件についてです。
県職員の終業時間は基本的に17時15分ですが、17時台に職場を出る人は半数にも満たないのではないでしょうか。
みんな当たり前に17時15分を見過ごして、18時や19時まで仕事をしています。
そして、その程度の残業時間であれば、残業として扱わないのが慣例となっています。
2時間を超えてからが残業、みたいな謎の雰囲気があるんです。
もちろん自ら申告すれば1時間でも、残業として、しっかり残業代をもらうこともできますよ。
真面目に残業をしているのであれば、1時間であっても、ちゃんとした残業として認められるべきなのに、誰もおかしいと思わないんです。
みんなが17時15分になったらささっと帰っていく職場であればこんなことにはならないですよね。
この悪しき慣習が正常化するまでには時間がかかりそうです。
最後にフォローしますが、もちろんすべての残業が悪いわけではないですよ。
月100時間の残業がありうるのが県庁職員の仕事ですし、本当に必要な仕事なら残業はやむを得ません。
ただ、それが習慣化するのがよくないんですよね・・・。
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