こんにちは!
元公務員ライターの ikemi(@ikemi_writer) です!
本記事に興味をもっていただいたあなたは、こんな疑問を持っているのではないでしょうか?
クビにならない公務員が懲戒処分を受けるのはどんなとき?
公務員が仕事の延長線で逮捕された事案はあるのかな・・・
自分も同じ失敗をしないように知っておきたい!
常に公正な立場を取らなければいけないのが公務員。
ただ、欲望に負け、公務員の立場を利用して犯罪に手を染める職員も少なくありません。
それだけ、公務員には大きな権限が与えられているということ。
人もお金も動かす力があるということ。
積極的にか、そそのかされてか、どちらにせよ数えきれないほどの不祥事が起きています。
本記事では、公務員が逮捕・懲戒処分まで発展した不祥事を解説します。
公務員は基本的にクビになることはありません。
唯一、犯罪に手を染めたとき公務員の資格を失います。
公務員として順風満帆な生活を送るためにも、ぜひ参考にしてみてください。
入札予定価格の漏洩①
入札を行うにあたり、千葉市下水道関係部署の60代職員が、参加業者へ予定価格を漏らした。
本人は懲戒免職、その上司2名は戒告や減給処分を受ける。
また、公契約関係競売入札妨害などの疑いで、業者側にも6人の逮捕者がでた。
情報を漏らした理由は「入札が不成立になるのを防ぎたかった」「安く契約できれば、市民のためになる」とのことらしい。
入札を行う際の予定価格漏洩は典型的な不祥事パターン。
少し補足すると・・・
大きな工事なんかを業者に発注するときは、「入札」という価格競争を実施し、もっとも安く請け負ってくれる業者を選ぶ。
その際、役所側は、”この金額より安くなければ発注しない”という予定価格を設定しなければならない。
例えば、入札の結果、最安値が100万円だったとしても、予定価格が99万円ならやり直し。
業者が頑張って安い価格で入札してくれても、予算オーバーは許されないので予定価格を設定するわけですね。
そして、その予定価格を業者は知りたがる。
予定価格ギリギリで入札すれば、負けることはありませんから。
予定価格は業者の利益もちゃんと出るように設定されているので、損することもない。
これで、何十億とか何百億とかいうお金が動くので、賄賂が出てくるのも納得できる。
ちなみに、入札の不成立を防ぎたかったっていう理由は、現場を知る人間からするとよく分かる。
予定価格を漏らしてトントン拍子に進んでいったほうが仕事は楽だから。
ただ、犯罪は犯罪。
犯罪に手を出した公務員の社会的復帰は絶望的。
とくに、扱う金額が大きい土木関係に配属されたら要注意。
入札の機会も多いので、こういった事件が起こりがち。
入札予定価格の漏洩②
宮城県川崎町の40代職員が公共工事の発注にあたって、予定価格に関する情報を参加業者に提供した。
そして、見返りに商品券を受け取っており、受託収賄容疑で逮捕された。
謝礼として受け取った商品券は10万円以上にのぼるという。
いうまでもなく、この職員は懲戒処分に。
この事件は、単なる情報漏洩だけではなく、賄賂を受け取っていた点がより悪質。
実際、もう退職されたが、私の元上司もそういう甘いささやきを受けたことがあると言っていた。
もちろん、業者も馬鹿じゃないのではっきりと要求してこなかったらしいが。
実際、担当職員のさじ加減一つで、特定の業者に利益を与えることができる。
ずさんな体制に思えるかもしれないが、職員を信用しなければ仕事は何も進まないから仕方ない。
すべての事務処理を機械がさばけるようになるまでは、この手の収賄はなくならないかなと。
公正・公平を誓う公務員だって、所詮は人間だから。
接待
次は有名な「大蔵省接待汚職事件」。
まず、大蔵省OBが証券会社から賄賂をもらっていたことが発覚。
それを発端に、証券会社・銀行による大蔵省職員への過剰接待、そして、機密情報の漏洩が明らかになり、官僚7人が逮捕されるまでになった。
この事件が話題になったのは、あの大蔵省職員の汚職であったこと。
そして、接待の舞台がハレンチなお店であったこと。
接待×高級官僚×破廉恥。
ニュースとしては、最高の素材だったのだろう。
ただ、この事件は自殺者も出ているほど、酷いものだった。
公務員の身元なんて、正直すぐバレる。
本人だけでなく、家族や親族にまで及ぶ社会的制裁は計り知れない。
責任を抱え切れなくなったのか、羞恥心に耐えられなくなったのか。
それは、本人しか分からないが、不祥事に関係した公務員が命を断つことは、残念ながら少なくない。
収賄
高知県安芸郡奈半利町職員2名が特定の業者に対し、ふるさと納税返礼品の加工を請負わせ、法外な報酬を与える代わりに賄賂を受領していた。
これも不祥事の典型パターンの1つ。
なぜかというと、公共工事ほど金額も大きくないので、担当職員の裁量が効きやすいから。
あと、地元の業者が絡むと、個人的な繋がりが出てくるパターンも少なくないから。
たった2人の職員のせいで、この町のイメージはガクンと下がった。
不祥事による個人的な制裁は仕方ない部分もあるが、自治体自体にも悪影響をもたらすことを忘れてはならない。
逆恨み殺害
最後は、少し趣旨が変わるが、とある事件に巻き込まれてしまった公務員の話。
2000年頃、栃木県鹿沼市職員と産業廃棄物処理業者の癒着があった。
この癒着を正そうとした職員がいた。
そして、逆恨みされ、拉致・殺害された。
実行犯4人が逮捕された。
犯行を依頼した産廃業者は、逮捕される前に自殺。
癒着に関与していた鹿沼市の幹部職員も自殺した。
これは、公務員市場まれに見る最悪の泥沼事件。
この事件以降、行政に対して暴行や暴言を使いながら不当な要求等を行う「行政対象暴力」の存在が明るみになった。
公正・公平な自治体運営に一歩近づいたのである。
勇気ある行動を起こした職員の功績は大きかった。
まとめ:公務員の不祥事は数知れず
では、この記事のまとめ。
◆接待や賄賂、癒着は今の時代も存在する
◆公務員なら、やろうと思えばすぐに不正ができてしまう
◆公務員の不祥事は社会的制裁が計り知れない
公務員にとって、不祥事はすぐ近くにあるもの。
足を踏み入れてはいけない領域には常に注意しておくべき。
社会復帰どころか、生きていることさえ困難になることもある。
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