【県庁と市役所の違い】仕事内容・役割や人間関係の特徴を解説!

県庁と市役所の違い公務員の仕事

こんにちは!

元公務員ライターの ikemi(@ikemi_writer) です!

本記事に興味をもっていただいたあなたは、こんな疑問を持っているのではないでしょうか?


地方公務員を目指しているけど、県庁か市役所か迷っている・・・

県庁と市役所の仕事の違いを知りたい!

性格的にも自分がどっちに向いているのか知っておきたい!


公務員を目指すにあたって、県庁と市役所のどちらを選ぶか、悩まれている人は多いでしょう。

私も学生時代に同じ悩みを抱えていましたが、結果的に「市役所より県庁のほうがかっこ良さそうだから」と言う単純な理由で県庁で働くことを選択しました。

あの時、もっと具体的な情報を収集できていたら市役所を選択していたかもしれません。


私は2年間、市役所への出向経験があります。

なので、県庁と市役所の両者を比較しながら、その違いを皆さんにお伝えすることができます。


実際、県庁職員と市役所職員は同じ公務員でありながら、仕事内容はもちろん、人間関係や人間関係などいろんな違いがあります。

そこで、今回は、県庁と市役所の違いについて具体例を示しながらお話しします。

役割:県庁=共通+管理業務、市役所=共通+現場業務

まず、県庁と市役所の仕事内容は法律で決められていて、簡単にいうと…

できることは基本的に各市町村でやりなさい。ただし、複数の市町村にまたがるような業務や国と市町村の仲介業務は県が担いなさい。」となっています。


税金の集め方や生活保護者への対応など、行政の根幹をなす部分については、このルールを厳格に守らなければなりません。

ただ、それ以外の部分は、県庁も市役所も自律性を持って好き勝手やっているので、あまりこのルールは意識しなくても問題ないかなと。


例えば、スポーツ関係業務で言うと、県庁も市役所も運動の楽しさを広めるためのイベントやスポーツ体験会などを行っていますし、オリンピックの開催時期には、スポーツを通じた国際交流なんかもやっていましたね。

仕事をする目的が「○○県民のため」なのか「〇〇市民のため」なのか、違いはそこだけです。

やっていることにそこまで大きな違いはありません。


ただ、それだけではあまりにも内容が薄いので、県庁と市役所、それぞれがもつ特有の業務をもっと深掘りしていきますね。

県庁特有の仕事は「市町村の管理」

県庁は市町村の動きを常に把握しておかなければなりません。

先述のとおり、県庁自身も様々な取組を行っていますが、現場を知らない県庁職員に県内隅々まで行き届いたサービスを提供することは物理的にも能力的にも不可能です。


そこで、県庁は県全体を良い方向に導くために、市町村を動かし、その進捗を常に把握しておく必要があります。


例えば、オリンピック聖火リレーのルートを考える時には、県から各市町に対して協力の依頼を行っているはずです。

ランナーが目立って、かつ安全なルートを県庁職員が地図を見ながら地道に探していては絶対に最適解は見つかりません。

地元をよく知っている市町村にルートの作成をお願いし、それを取りまとめる方法が一番効率的ですし、いいものができます。


その代わり、どこか一つでも失敗すれば、お願いしている立場の県庁が持つことになるので、県庁としては進捗状況の把握を徹底する必要が出てきます。

ただ、市町村の動きを管理をするって割と大変なんです。

市町村にもそれぞれの考え方がありますし、みんながみんな言われたように動いてはくれませんからね・・・。

そんなこんなで、県庁と市役所は仲が悪いこともあったり、なかったり。

市役所特有の仕事は「現場業務」

これは皆さんもイメージを持たれているかと思いますが、市役所職員はとにかく現場の第一線で働いています。


最たる例は、市民窓口です。

県庁と市役所の違いに大差ないとも言いましたが、これだけは明確に違います。

あそこで生活に関わるいろんな手続きを市民の方と向き合いながら処理しているのは市役所職員。

時には、警察沙汰になるような揉め事を起こす市民の相手をしなくてはならないような過酷な現場なんですよ。

窓口業務はしたくなかったというのも、私が県庁を選んだ理由の一つ。

いろんな市民を相手に手際よく対応する自信がなかったんですよね・・・。


また、私が配属されていたスポーツ部署もまさに現場の仕事でした。

数ヶ月ごとに地域のスポーツ大会を開催していたので、その時は朝5時に会場に行き、テントを張ったり、白線を引いたり、試合の進行管理や弁当の調達、クレーム対応など、一日中走り回っていましたね。

一般市民を相手にするわけですからものすごく気を遣いますし、体力もいる仕事です。

その反面、市民の声を直接聴きながら、地域に根ざした仕事を行うことができるのが市役所のいいところ。

きれいごとに聞こえるかもしれませんが、国にも県にもできない本当に貴重な仕事なんですよ!

仕事内容は市役所の方が断然面白い

県庁職員の場合は、どちらかといえば現場に出る機会が少なく、パソコンと向き合う仕事がメインになります。

一方、市役所職員の場合は現場に出て、自分たちの手で作り上げる仕事がメインになります。


淡々とこなす仕事をしたい方は県庁、身体を動かしながら主体的に仕事をしたい方は市役所が向いているのではないでしょうか。

両方を経験した私からすると、市役所にいた頃の方が、毎日疲れ果てていましたが、圧倒的にやりがいや達成感がありましたね。

人間関係:県庁=淡白、市役所=ドロドロ

仕事をするにあたって最も大事なことは人間関係です。

コレがうまくいけばどんなしんどい仕事でも耐えることができますし、逆にコレがボロボロになるとどんな楽しい仕事でも毎日仕事をするのが苦痛になります。

そして、県庁と市役所の最も大きな違いがこの人間関係です。

※県庁と市役所を選択するうえで、人間関係は本当に大事な要素です。極端な表現があるかもしれませんが、両方を経験してみて率直に感じたコトをそのままお伝えします。

県庁職員の人間関係は心配不要です。

基本的に県庁職員同士の関係性は希薄です。


もちろん派閥なんかないですし、恨み妬みを表に出すような人もあまりいません。

ですので、よほどのことがない限り人間関係がこじれることはありませんし、無理に人間関係を築かずとも仕事ぶりを評価されれば出世することも十分可能です。


あと、無理に飲み会に行かなくてもその後の人間関係にさほど影響しません。

みんな普通に1次会で帰りますし。


どんな人でも当たり障りのない人間関係を構築できるのが県庁です。

市役所職員の人間関係は一歩間違えば終わりです。

市役所の人間関係は体育会系で、集団行動的です。


上司の言うことは絶対で、みんなが上司を意図を常に読み取りながら仕事をしています。

そして、組織から距離を取ろうとする者や新しい組織を作ろうとする者は淘汰されます。

私が市役所にいた時も、課長と気が合わなかった職員はその次の年に別の課へ異動していました・・・。


また、私が出向していた市役所には派閥があったのも事実。

話を聞くところによると、どこの派閥に入るかによって、配属先が変わったり、出世に大きく影響したりするようでした。

そんな、一昔前のようなドロドロした世界が依然として残っているのが市役所です。

うまくやれば可愛がってもらえますが、一歩付き合い方を間違えれば、良好な人間関係を取り戻すことは困難でしょう。

心穏やかに仕事をしたいなら間違いなく県庁を選ぶべき

余計な人付き合いはせず、心穏やかに過ごしたい方や、自分を実力で評価して欲しい方は県庁を。

どんな手を使っても出世したい方や人間関係を築き上げるのが得意な方は市役所を選択するのをおすすめします。

私は市役所時代、幸いにも可愛がってもらえていたのですが、ものすごく気を遣いながら仕事をしていたので、精神的な疲労はすごかったです。

頻繁に行われる飲み会に無理して行っていたのも嫌だったので、県庁のサバサバした人間関係の方が性に合っていたなぁと感じてます。

人間性:県庁=優等生、市役所=不良

最後に県庁職員と市役所職員の人間性の違いについてお話しします。

できることなら自分と同じようなタイプの人が多い場所で働きたいですよね。

もちろん県庁にも市役所にもいろんな人がいるので一概には言えませんが、こんな感じの人が多いところということで、ざっくりとですが紹介していきますね。

県庁職員はとにかく真面目

県庁職員は、仕事からプライベートまでとにかく真面目な優等生。

平日夜遅くまで働き、忙しい時には文句も言わずに休日出勤をします。

仕事中も黙々とパソコンをカタカタし、雑談することは滅多にありません。

プライベートにおいても、ギャンブルをしない、夜のお店にも行かない、仕事が終わったらまっすぐ家に帰る、それが県庁職員の基本スタイルです。

市役所はやんちゃな大人の集まり

市役所職員はいい意味で適当に仕事をします。

おそらく、県庁職員と市役所職員に同じ課題を与えてレポートを書かせたら、県庁職員の半分のボリュームで提出してくるのが市役所職員です。

サボっているわけではないですが、求める水準が違うんですよね、きっと。


残業もほとんどせず、仕事が終わったらとりあえず街に繰り出して遊び倒します。

また、私が出向中に出会った多くの人はギャンブルにもハマっていて、昼休みになると大騒ぎしていました。笑

市役所職員は県庁職員が持っていない遊び心を持っていて、人間的におもしろくて、毎日楽しんでいる印象がありました。

人間性については優劣つけがたい

人間性については、自分がどちらよりの人間性を持っているかだと思うので、あえて優劣は付けません。

私の場合は、どちらかというと真面目タイプなので県庁職員の方が一緒にいて気が合いましたし、仕事もやりやすかったです。


ただ、市役所職員と一緒にいたときの方が、面白い人が多かったのでよく笑いましたし、知らなかった遊びも教えてもらいましたし、視野を広げることができたのかなとも思います。

が、ずっと市役所にいられるかというと、やはりきついですね・・・。


自分と違う人と関わるのはプライベートでも出来ますし、職場の人とは家族よりも長い時間を一緒に過ごすことになるので、自分の性格を見極めて自然体でいられる方を選ぶのが大切です。

まとめ:仕事には県庁も市役所も大差ないが、人間性は対極

県庁と市役所の違いをまとめると次のとおりです。

人付き合いが嫌われる傾向にある今の時代、県庁に魅力を感じる(市役所に抵抗を覚える)人が多いのではないでしょうか。

実際、人間関係がめんどくさいと感じる私自身も、県庁を選んでよかったと思っています。

ただでさえ仕事で悩むことが多いのに人間関係くらいはサッパリさせたいですからね。


ただ、市役所出向時代、現場に出て身体を動かしながら仕事をすることはすごく楽しかったです。

スーパー体育会系組織の中で立ち回りを鍛えられたのも事実。

仕事をする中で人として成長させてくれるのは県庁よりも市役所で過ごした日々でした。


どちらに価値を感じるかは人それぞれだと思いますので、この記事を一つの参考にしていただければ幸いです。

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