こんにちは!
元公務員ライターの ikemi(@ikemi_writer) です!
本記事に興味をもっていただいたあなたは、こんな疑問を持っているのではないでしょうか?
公務員の仕事は文系っぽいし、理系出身だと難しいのかな・・・採用試験で不利にならないかも不安・・・
理系でもできる仕事はあるのか知りたい!目指せる職種を教えてほしい!
公務員を志望する理系の皆さん、こんな不安を持っていませんか?
確かに、「公務員試験は文系の方が有利」とか「現場で働いている人は大体が文系出身」といった話は私も学生時代に聞いたことがありました。
そんな話を聞いたら、理系の方は不安になりますよね・・・でも、安心してください。
公務員試験でも、実際の現場でも理系だからといって不利になることはありません。
では、理系はどんな職種で活躍できるのか。
本記事では、理系出身者が目指せる公務員の職種を解説していきます。
理系が目指せる職種は「技術職」と「行政事務職」の2つ
理系が公務員を目指すうえでは、2つの選択肢があります。
- 技術職を目指す(一般的な選択)
- 行政事務職を目指す(イレギュラーな選択)
では、それぞれの職種について、詳しく解説します。
理系出身者の多くは技術職を目指す
理系の場合、ほとんどの人が「技術職」としての採用を目指します。
技術職は、大学で学んできたことを活かせる専門性の高い職種。
文系出身者はほぼ0%ですので、理系の聖域ともいえるでしょう。
また、「技術職」は土木職、建築職、機械職・・・など細分化されています。
自治体によって、技術職の種類はさまざまですので、これから代表的なものを例示し、それぞれの仕事内容を簡単に紹介していきますね。
土木職
✅ 自治体が所有する道路や橋、公園などの新規開発・維持管理
例えば、道路を新しくつくるとなると、設計、費用積算、工事業者との契約、施工監督、検査、その後の維持管理までこなす必要があります。
その過程では、民間業者に指示を出したり、直接現場で打ち合わせをしたりすることも。
最近では災害が頻発しているので、もしもの時、被害を最小限に抑えるために、河川や海岸の管理方法を研究したり、道路の改良工事を行ったりすることも大事な仕事です。
土木職は人々の生活になくてはならないものを造り、管理する重要度の高い仕事といえるでしょう。
自分が手掛けたものが半永久的に存在し続ける仕事ですし、行政組織のなかでもっとも大きなお金を動かす仕事なので、ほかの職種と比べてやりがいを感じやすいことも特徴です。
建築職
✅ 公共建築物の新築・修繕管理業務
「こういう建築物を作りたい」というイメージを具体化し、施工業者に伝え、進捗管理を行うのが建築職の主な仕事です。
ちなみに、今は設計の段階から業者に委託することがほとんど。
大学時代に建築を深く学び、自分の手でバリバリ設計図を描きたいと思っている方は拍子抜けするかもしれません。
ただ、委託するにしても、建築の知識は欠かせないことには変わりありません。
✅ 建築物や都市計画に関する許認可業務
建築物をつくる際には、自治体の許認可が必要です。
その際、建築職の職員が建築基準法や都市計画法に基づき、法律に触れない建築物であるかなどの判断を行います。
広い視点で見ると、自治体の都市計画を策定する仕事でもあるので、分析力や企画力といった能力も必要になるでしょう。
「人々が住みやすい街を作りたい!」といった想いを持っている人にとってはピッタリの仕事です。
機械職
✅ 公共施設の機械整備に関する企画・設計や工事管理・保守管理
機械設備とは、空調設備、浄水設備、衛生設備などを指します。
対象となる設備は膨大な量になるので、大規模な作業を要するものは民間業者に外注し、監督業務を行うことがほとんどです。
また、機械職の職員が中小企業に出向いて機械の扱い方を伝授したり、機械に関する試験研究を行ったりすることもあります。
「機械で未来を創る」仕事に従事するのが機械職です。
電気職
✅ 電気機械の保守管理業務
主に、公営企業(浄水場・下水処理場や清掃工場、ダム管理施設など)で勤務し、公共施設の電気設備を扱うことが電気職の仕事です。
そのほかにも、公共施設の新築・修理が行われる際には、照明やコンセント、それに至る配線などの電気設備を担当し、どんな照明が必要か、コンセントの配置はどこが適切か、最も効率の良い配線はどれかなど、緻密な計画をたてたうえで工事を監督し、完了検査まで行うこともあります。
一般的に、電気職は他の技術職と比べて専門性が高く、自治体によっては採用人数も少ないので、電気職一人にかかる仕事の比重が多くなりがちなようです。
それだけ、責任がのしかかりますが、比例して大きなやりがいを感じられる仕事ではないでしょうか。
情報職
✅ 職員が使用するシステムの維持管理
自治体職員は、グループウェアをはじめとした各種システムを日常的に利用しています。
それらのシステムは定期的なメンテナンスが必要なほか、システムの細かなトラブルは割と頻繁に発生するので、その対応に追われることも。
異動の時期にはアカウントの入れ替えなどで徹夜することも珍しくありません。
✅ 新規システムの導入
時代の変化に合わせて、自治体でも定期的に新規システムが導入されます。
基本的には民間業者に委託してシステム開発を行うのですが、具体的なシステム内容を業者に伝えるための仕様書の作成や入札の実施、効果検証などを情報職の職員が担うわけです。
自治体が使うシステムは、税金や公共工事に関わるものがほとんど。
新システムの導入は莫大な費用を要し、数年がかりの超難題業務となります。
絶対に失敗できないプロジェクトなので、その時期だけは精鋭職員が集められることも。
✅ 各部署のデジタル化サポート
昨今、デジタル化を意識した取り組みが行政の流行です。
AIを使った作業効率化、タブレットの導入、テレワークの推進・・・課題は山積みです。
デジタル化は県庁全体の取り組みですが、防災関係や広報関係など、デジタル化との関連が深い部署には、情報職の職員が配置されます。
いわば、行政のデジタル化という特別な任務を担うのが情報職です。
情報職はパソコンや機器類に強い人が多いので、一般職員から頼られる存在になることも珍しくないでしょう。
化学職
✅ 環境問題に関する調査や指導、研究活動
工場や事業場における大気・水・土壌等に含まれる汚染物質の分析や、廃棄物処理業者の指導・監督、原子力発電所の監視業務など多岐にわたります。
✅ 新たな技術の研究・提供
地元企業の技術高度化や地域資源を活用した新たな産業の創出などを図るため、研究を行ったり、技術相談会を開催して情報提供を行ったりします。
研究を行う場合、自治体だけではなく、大学や民間企業との共同研究を実施することも。
とくに環境問題については、近年重要性が高まりつつあるので、化学職のポストはなくてはならない存在といえるでしょう。
農業職
✅ 農家への農業技術・経営の指導、農家の育成
地元農家を対象とした研修会の開催や、現地に出向いての技術指導、農家に対する補助制度の制定、販路拡大支援などを通して、農家の活動をサポートします。
✅ 新品種の育成や栽培技術・経営・病害虫等に関する研究
オリジナル品種を開発するとともに、開発された新品種の産地を広げるため、農家や生産団体への技術指導を行います。
さらに、作物に発生する病害の防除技術の開発、原因究明などを担うことも。
どちらかというと、農業職はパソコンに向かうよりも農作物の栽培管理や現地調査など現場に出ることが多い仕事です。
✅ 地元農産物のブランド化・販売促進
最近では、従来品との差別化による販路拡大等を目指し、高級思考の地域ブランドを生み出そうとする流れがあります。
そこで、自治体が地元の優れた特産品を見つけ出し、PR活動を行うことで、地元農産物の販売促進を図っています。
農業職は間違いなく、おもしろい仕事です。
農業という地域に根差した活動を支援しながらも、一方では、全国、世界を相手に地元ブランドのPRも行う、こんなに幅広い仕事はほかにありません。
職員数も比較的多いのも農業職の特徴です。
林業職
✅ 林業や木材産業の育成
森林の保全・木材の需要拡大等の施策を企画したり、林業就業希望者に対して生産から加工・流通のノウハウを伝え、軌道に乗るまで行政がサポートすることで後継者の育成を行ったりします。
✅ 路網整備や機械化の促進
林業経営・森林整備に欠かすことができない林道の整備や、生産性向上に向けたハイスペックマシーンの導入に対する金銭的支援などを行います。
✅ 県土の保全
森林・渓流の整備や、崩壊区域の復旧作業、災害防止のための「治山ダム」の管理等を行います。
これも実際の作業は民間業者に委託して行うので、林業職の仕事としては、工事の計画や監督業務がメインです。
林業職が手掛ける仕事は最もスケールが大きく、成果が見えるまでにとても時間がかかります。
それだけに、出来上がったものは後世まで残るものばかりで、その達成感はほかとは比較できないものになるでしょう。
水産職
✅ 水産技術の普及指導
漁生産性向上・漁業経営の合理化を図るため、業関係者に対し、最先端技術や魚病対策、経営ノウハウの普及指導を行います。
✅ 水産物のブランド化・販売促進
地元産養殖魚をブランド化し、販路拡大や付加価値の向上させるため、行政が主導となって養殖技術の研究や県外の商談会への参加・PR活動を行います。
✅ 水産基盤の整備・漁業調整
安定的な漁業活動を実現するため、魚礁などの基盤整備を行います。
漁業トラブルの防止と資源保護を目的として、漁業業者間の調整を行うとともに、取締船を中心に漁業取締りを行うこともあります。
✅ 養殖技術開発等の研究
研究機関に勤務し、養殖技術の開発や海洋調査研究等を行います。
漁況(魚種・漁業種類別の水揚量)や海況(沿岸や観測ブイの水温)情報収集・発信作業も欠かすことはできません。
農業職と同様に、養殖魚のブランド化・セールス活動は近年の流行であり、研究分野だけではなく、企画力や営業力も試されるので、活躍の幅や機会が多い職種といえるでしょう。
理系でも行政事務職を目指すことは可能
世間一般が想像する公務員はこの「行政事務職」です。
窓口で住民票を発行してくれる人も行政事務職ですし、たまにテレビで観光PRをしている人も行政事務職です。
ほかにも、税、福祉、スポーツ、文化、広報・・・行政事務の仕事は多岐にわたり、技術職が特定分野のスペシャリストであるのに対し、行政事務職は何でも屋さんといえます。
そして、行政事務職のほとんどが文系出身者です。
ただ、理系出身者もかなり少ないですが存在します。
つまり、理系出身者でも専門性を気にしなければ、行政事務職を目指しても問題はないのです。
(そもそも、文系出身者でいうと、法学部くらいしか仕事で活かせる専門性なんてないですから。)
次に、理系出身者でも、行政事務職とを目指せる理由をもう少し詳しく解説しますね。
行政事務職に専門知識は不要
行政事務の仕事は本当に幅広いです。
でも、浅い。
なので、行政事務職に高度な専門的知識を求められることはありません。
つまり、文系であろうが理系であろうが、誰でも目指すことができる職ということです。
(どんな仕事にもオールマイティに対応できる能力は必要とされますが、それは理系も文系も関係ないですからね)
働きながら必要な知識を身につければOK
役所の職員は全員、働きながら必要な知識を一つひとつ身につけていっています。
行政事務職は約3年周期で異動するため、その度に一から勉強し直さなければなりません。
なので、これから行政事務職を目指す皆さん、安心してください。
事前に勉強しておくべきことは、特にありません。
次々と職員が入れ替わっても、支障がないような仕事ばかりです。
理系も文系も関係なく、誰でもこなすことができますよ。
行政事務職の1〜2割は理系出身
実際の現場において、行政事務職は文系出身者ばかりです。
理系出身者は公務員のなかでも技術職として働くことがほとんど。
どうせなら大学で学んだ専門知識を生かすことができる職種に就きたいと考えるのは当然のことかもしれません。
では、理系出身の行政事務職はゼロかというとそうではなく、割合的には1〜2割程度は存在しています。
そして、皆さん、なんの違和感もなく勤務しています。
職場で文系?理系?なんて会話をしない限り、そんな区別は誰も気にしないですからね。
それくらい、行政事務職の仕事は、文系・理系にとらわれない仕事ということなんです。
公務員試験に関しては理系のほうが有利
公務員試験は、数的処理が最重要科目です。
配点がものすごく高い。
そして、 数的処理=算数・数学。
理系が有利なのは明らかです。
文系の法学部や経済学部出身者であれば、大学で学んだことが少しだけ役立つ程度でしょう。
教育学部や文学部なんかは、有利な部分がまったくないです・・・。
公務員はむしろ理系出身者に適した仕事といえるかもしれません。
まとめ:理系は技術職も事務職も目指せる!
本記事のまとめです!
●行政事務職を目指すこともできるが、かなり少数派
●理系は公務員試験に強い
結論、文系よりも理系のほうが公務員試験にも受かりやすいし、仕事のやりがいもあるといえます。
理系は技術職も行政事務職も選べる。
しかも、採用試験にも強い。
公務員は文系のイメージを持たれがちですが、実は理系が有利な職業なのです。
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