20代地方公務員(一般行政職)の年収はどれくらい?手取りや生活がきついかどうかも解説

20代公務員の年収公務員の給料・年収

こんにちは!

元公務員ライターの ikemi(@ikemi_writer) です!

本記事に興味をもっていただいたあなたは、こんな疑問を持っているのではないでしょうか?


地方公務員の年収はどれくらいなんだろう。

結局、高いのか安いのか知りたい!!!

公務員の給料は年齢と一緒に上がっていくらしいけど、20代のうちはどのくらいもらえるのかな・・・。



公務員の平均年齢は高いので、平均年収も高めに感じられます。

ただ、公務員の年収は基本的に年齢とともに上がるもの。

20代の年収は、決して高い額とはいえません。



本記事では、20代地方公務員の年収を詳しく解説します。

これから公務員を目指す人にとっては遠い未来の話ではないので、ぜひ参考にしてみてください。



※本記事では総務省「令和3年地方公務員給与の実態」を参照しています

20代地方公務員の年収は?

まずは、20代地方公務員(一般行政職)の年収を解説します。

ここで紹介するのは、大卒・短大卒・高卒・中卒すべての学歴を対象にした推計です。

学歴とともに年収は上がっていくので、例えば大卒であれば+10万円程度と考えてください。

地方公務員全体の平均年収は約415万円

都道府県・市区町村すべての平均年収は 4,153,415円 です。

内訳は以下のとおり。

年齢月額給与ボーナス(年間)年収
20~23228,037円797,940円3,534,384円
24~27273,317円906,602円4,186,406円
28~31309,239円1,028,588円4,739,456円
※総務省「令和3年地方公務員給与の実態」をもとに推計
※月額給与は諸手当等も含む ※ボーナスは月額給料×4.4で算出


なお、月額給与には、諸手当も含まれます。

実家暮らしで住居手当がない、徒歩圏内で通勤手当がないといった場合などは、年収も大幅にダウンするので注意してくださいね。


都道府県職員の平均年収 約423万円

都道府県職員の平均年収 4,228,279円 です。

内訳は以下のとおり。

年齢月額給与ボーナス(年間)年収
20~23228,037円797,940円3,534,384円
24~27273,317円906,602円4,186,406円
28~31309,239円1,028,588円4,739,456円
※総務省「令和3年地方公務員給与の実態」をもとに推計
※月額給与は諸手当等も含む ※ボーナスは月額給料×4.4で算出




政令指定都市職員の平均年収 約440万円

市役所職員の平均年収は 4,397,266円 です。

内訳は以下のとおり。

年齢月額給与ボーナス(年間)年収
20~23245,719円792,585円3,741,213円
24~27294,078円900,390円4,429,326円
28~31332,115円1,035,879円5,021,259円
※総務省「令和3年地方公務員給与の実態」をもとに推計
※月額給与は諸手当等も含む ※ボーナスは月額給料×4.4で算出




市役所職員の平均年収 約409万円

市役所職員の平均年収は 4,093,047円 です。

内訳は以下のとおり。

年齢月額給与ボーナス(年間)年収
20~23225,031円800,070円3,500,442円
24~27268,406円907,236円4,128,108円
28~31302,311円1,022,859円4,650,591円
※総務省「令和3年地方公務員給与の実態」をもとに推計
※月額給与は諸手当等も含む ※ボーナスは月額給料×4.4で算出




町役場職員の平均年収 約371万円

町役場職員の平均年収は 3,708,683円 です。

内訳は以下のとおり。

年齢月額給与ボーナス(年間)年収
20~23200,286円765,314円3,168,746円
24~27237,624円880,616円3,732,104円
28~31269,494円991,272円4,225,200円
※総務省「令和3年地方公務員給与の実態」をもとに推計
※月額給与は諸手当等も含む ※ボーナスは月額給料×4.4で算出




特別区職員の平均年収 約447万円

特別区職員の平均年収 4,466,802円 です。

内訳は以下のとおり。

年齢月額給与ボーナス(年間)年収
20~23254,913円789,118円3,848,074円
24~27298,313円889,148円4,468,904円
28~31337,984円1,027,620円5,083,428円
※総務省「令和3年地方公務員給与の実態」をもとに推計
※月額給与は諸手当等も含む ※ボーナスは月額給料×4.4で算出




実際に手元に残るのは約330万円

上記で示した金額は、あくまで年収。

実際には、そこから税金や退職金の積み立てなどが天引きされるので、手元に残る額はがくんと減ります。


手取りの目安は、収入の8割弱です。

20代地方公務員全体の年収415万円をもとに算出すると・・・

手取りは、約332万円

月々に換算すると、30万円に満たない額です。



ただし、これはボーナスも含めた額。

ボーナス月以外の手取りは、月々20万円程

なるでしょう。

民間企業よりも地方公務員の年収は高い

地方公務員の年収415万円は、民間企業と比較して高いといえます。

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和元年分)」の結果によると、民間企業に勤める20代の平均年収は、約317万円


20代の同世代で比較した場合、地方公務員は民間企業よりも100万円近く年収が高いことがわかります。


地方公務員の給料は、民間企業の給料をベースに決定するのがルール。

なのに、なぜ100万円もの年収の差が生じるかというと、給料のベースにしているのが大企業に偏っているからです。




日本において、企業の99%は中小企業。

しかし、公務員の給料は大企業に近い水準になっているのです。


これは、しばしばズルいと指摘されることではあるのですが、いまだ改善されることはありません。

公務員にとっては、ありがたいことなんですけどね。


といっても、全国的に知名度のある大企業と比較すると、決して多い額ではありません

公務員の学歴は高いので、民間企業に就職した大学の同級生と比べると数段劣る場合がほとんどです。

20代地方公務員の生活水準(実例)

では、年収415万円の20代、地方公務員のリアルな生活水準を紹介します。

私の場合も先述したとおり、手取りは毎月約20万円でした。



一般的な20代一人暮らし、独身の支出はというと・・・

家賃は6万円。

食費と日用品で5万円。

職場の飲み会代や冠婚葬祭関係費で3万円。

車のローンと保険、駐車場代で3万円。

光熱費で1万円。

スマホとWi-Fi通信費で1万円。




合計すると、月の支出は約19万円です。

手取りはほぼ生活費で消えていきますね。

趣味や遊びに使うお金は、ほとんど残らないのが実情です。


しかも、上述してきた年収は残業代込みの金額です。

残業がない部署に配属されると、手取りはもっと低くなります

私が経験したなかで、一番給料が低かった月は、手取り16万円。

住居手当が約3万円プラスされたあとの額なので、実家暮らしだったら13万円になってたはず。
そのときは、バイトのほうがマシだなと思いましたね。。。



とくに、1年目なんかは夏のボーナスも少ないので、生活はかなりきついです。




通勤に時間がかかっても実家暮らしを選択する。

飲みに行くときも、格安チェーン店に行く。

革靴もボロボロになるまで履きつぶす。




20代の若手公務員の生活水準は、決して高いとはいえません

大卒一般行政職の初任給は約18~19万円

多少のばらつきがあるものの、大卒一般行政職の初任給は、どの都道府県でも18~19万円台です。




20万円に満たない初任給は、同じ大学を出た友人と比べると、低い部類になるでしょう。

学歴は高いのに、給料は低いのが公務員なので。




先述したとおり、残業がない限り、お金に余裕がある生活は送れません・・・。

若手のうちは、地方公務員の年収に期待しないほうがよいでしょう。

30代以降にかけて、年収の伸びしろがある職業ですから。

地方公務員の給与形態

ここからは、地方公務員の給与形態を詳しく解説します。

公務員なら、知っておいて当たり前の知識なのでぜひ覚えておいてくださいね。

基本給は「給料表」で決められている

地方公務員の給料は、「給料表」に基づいて決定します。

「給料表」は自治体ごとに作られていて、HPなどでも閲覧可能です。

※参考:東京都庁の給料表(行政事務職など)



基本給は、「級」と「号給」によって定められています

全員が1級1号給から始まるわけではなく、キャリアに応じてスタート地点は異なるので注意してください。

高校卒業者なら1級5号給、短大卒なら1級15号給、大卒なら1級25号給から始まることが一般的です。

例えば、東京都庁の給料表を見ると、1級25号給、つまり大卒の初任給が176,100円であることがわかります。





多くの自治体では、1月1日を迎えると号給が上がります。

普通の人なら+4号給、高く評価された人なら6号給・8号給昇格することも。

1号給上がれば月給も1,000~2,000円増えるので、8号給紹介すれば月給を1万円近く増やせるケースもあります。


号給は当然出世にも大きく影響するので、私も6号給以上の昇格ができたときはガッツポーズでしたね。



「級」に関しては、基本的に役職と同時に上がります

例えば、主事から主任になるときに1級から2級に上がる、係長になるときは3級に上がる、といったイメージです。

なので、最高クラスの部長になると、8級とかになっていますね。


また、「号」が上がるよりも「級」が上がるほうが、月給の増え幅も大きいことがほとんどです。

次の役職次第では、月給が数万円アップすることもありますよ。




年間のボーナスは基本給×4.4か月

地方公務員のボーナスは、期末手当と勤勉手当に分類できます

期末手当とは、民間企業のボーナスとの穴埋めのために支給されるもの。

勤勉手当とは、勤務成績に応じて支給されるものであり、努力次第で変動します。

ボーナスが支給されるのは、6月と12月の年2回です。


ボーナスの額は、国の行政機関・人事院によって、ある程度の方針が示されます。

民間の給与実態に対応した方針なのですが、ボーナスが大きく変動することはほとんどありません。

コロナ禍において、ボーナスの減額が行われましたが、なにも気にならないほどの微小な額でした。

令和4年の人事院勧告で、ボーナスは給与の4.4月分と示されています。

人事院勧告はあくまで方針なのですが、ほぼすべての地方自治体が従っているのが現状です。

年収は残業代で大きく変わる

地方公務員の年収を大きく左右するのが、残業代です。

記録さえ正確につけていれば、ほぼ確実に残業代は支給されるので、やればやるだけ年収は増え続けます。


残業代に適用される時給は、勤務時間や勤務日、累積した残業時間によって以下のように割り増しされます。

平日
(残業計60時間以内)
平日
(残業計60時間超)
土日・祝日
(残業計60時間以内)
土日・祝日
(残業計60時間超)
0~5時150%175%160%175%
5~22時125%150%135%150%
22時~24時150%175%160%175%



行政事務職の残業代月平均は、3~4万円程度

残業代があるだけでも、生活レベルは大きく変わります。


忙しい部署に配属されると、残業代が基本給より多くなることも珍しくありません。




当然、年齢と役職が上がるほど残業代の単価も高くなります。

単価が高いときに、ガツガツ残業すれば、年収1,000万円も現実的です。


私の最高記録は、残業時間230時間です。

ちょうど30歳のときでしたが、手取りで60万円くらいありましたね。

ただ、二度とあんな生活は送りたくないですが・・・

しかし、管理職に昇格すると残業代は一切支給されません。

管理職手当が加算されますが、数万円程度。

管理職になったとたん、年収が数百万ダウンする職員も山ほどいます。

年収は年齢・勤務年数に応じてアップ

地方公務員は基本的に年功序列。

年収は年齢や勤続年数に応じて、徐々に上がっていきます


ただ、年収の上がり幅は少しずつ小さくなっていくことも理解しておきましょう。

若手のときは、1年で月給が1万円近く増えますが、50代にもなるとほとんど変化しなくなります。



それでも、不祥事を起こさない限り、誰でも年収が上がり続けるのは公務員の特権といえるでしょう。


配偶者や子どもができたタイミングでも、給与が増える場合があります。

扶養手当とよばれるもので、配偶者を扶養していれば6,500円、子どもを扶養していれば1万円~1万5千円が月給に追加されます。

扶養手当は、ボーナスの算定にも関係するので、大きな年収アップにつながります。


まとめ:20代地方公務員の年収は低い

さて、本記事のまとめです!


◆20代地方公務員の平均年収は約415万円
◆若手の生活は決して豊かではない
◆残業次第で年収は数百万円アップする



公務員になれる学歴と努力があれば、民間企業に就職したほうがほぼ確実に年収は高くなるでしょう。

ただ、給料が低いのは若手のときだけです。

年齢が上がるにつれて、年収も確実にアップしていくので安心してくださいね。

それに、どんな状況でも安定した額を受け取れることは、何よりの強みですから。



若いうちから収入を上げたいと考えるなら、投資一択です。

副業も一部認められていますが、職場の許可も必要なので、実質的には選択肢から外れるでしょう。

少額から始められる方法もあるので、一度検討してみることをおすすめします。



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